2020-11-25

伊勢丹新宿店、全商品をネットで接客・販売。

オンライン・ショップ経済

日本経済新聞 電子版は2020年11月24日に、三越伊勢丹ホールディングス(HD)は、新型コロナウイルス下で低迷する店舗販売を下支えするため、専用アプリを使い、旗艦店の伊勢丹新宿店の全商品を2021年度にも全約100万品目をネット上で接客し販売すると報告した。

利用者は商品購入時にクレジットカード情報を登録することで利用可能になる。

020年11月25日にネット接客、販売用の専用アプリを立ち上げ、まず、伊勢丹新宿店の婦人服や紳士服、時計・宝飾品など14分野で、約200ブランドの全商品が対象サービスを始めた。

来年度にかけて、家具や食品など全分野に広げる。

一般的なネット通販との違いは、実店舗の店員が商品を紹介し、販売する点で、まず利用者はチャット上で好みや予算、相談事を打ち込む。店員からはおすすめの商品などが返信される。

気に入った商品があれば、そのままアプリ上で購入できるほか、さらに詳しい相談や商品説明を受けたい場合、動画を使った接客を申し込む。

オンライン接客を担当する伊勢丹新宿店の販売員は、店頭との兼務で約50人から始め、順次増やす。

チャット上の対応が遅れないよう、AI(Artificial Intelligence/人工知能)を使ったチャットボット(自動応答システム)の導入も検討するという。

伊勢丹新宿店は2019年度の売上高が2740億円と、グループ全体の4分の1を稼ぐ旗艦店である。
品ぞろえや店員の商品知識は豊富で、専門性が必要な高額品の販売などに生かせる。

三越伊勢丹HDのネット接客を伴わない既存のネット通販サイトは、商品数が数億点とされるアマゾンや楽天などネット通販大手と比べると規模が小さい。

新サービスのネット接客と、購買担当者による独自の仕入れがある実店舗の商品で違いを出すという。

ほかの百貨店や一部のアパレルでもビデオ会議サービス「Zoom(ズーム)」などを使ったネット接客サービスもあるが、対象が一部の顧客や商品に限られている。

三越伊勢丹HDはネット接客の強化に備え、店頭業務を従来の8割の人員で回せるよう運営や配置の見直しを始めた。

サイト上のコンテンツ制作や商品管理を担う専門部署を2019年春と比べて3倍強の160人に拡大した。
2020年度にはアプリ開発や商品データベースの構築などに60億円を投資し、今後も同水準のデジタル投資を続ける。

ただし、2020年度のネット通販の売上高は前期比5割増の310億円と伸びるが、全体の4%にとどまる見通しである。全体の最終損益が450億円の赤字の見通しの中、ネット通販はデジタル投資がかさみ現状では利益貢献もほぼ無いとみられる。

それでも新型コロナの感染拡大の「第3波」が鮮明になり、当面は店舗販売の大幅な回復は見込めない。

杉江俊彦社長は「事業モデルを抜本的に見直さなければ生き残れない」と話している。

三越伊勢丹HD以外の小売り各社も店舗の強みを生かそうとネット接客などを始めているが、収益面で大きな成果は出ていない。

一方、アマゾンや楽天はスーパーの買収や出資などを通じてネット通販を強化するなど、ネットと実店舗の融合を進めている。

いろいろな実験をしてきたが、1番の失敗例は、実店舗の販売例を踏襲することで、ネット販売に強いユーザーに拒否され、彼らは同時にインフルエンサーでもあり、不満を拡散させる危険性を含んでいることである。

ネット販売に強いユーザーを取り込めないと失敗する。

ネット販売を知らないオーナーが、最も陥りやすい危険な蟻地獄である。

そして、アマゾンや楽天は、その隙をついてくる。

これでは、アマゾンや楽天は、ますます拡大し、その他が寂れていく。

これが、ネット販売の盲点である。

さらに、ネット通販に詳しくない人は、ネット通販に詳しい人に頼り、ネット通販に詳しい人は、それまでに使ってきたネット通販を利用して解説する。

ところが斬新なネット通販とは異なり、余計に分からない。

ネット通販に詳しくない人、ネット通販に詳しい人の両方が分からなくなり、面倒になっって利用しなくなる。

これが、最悪のスパイラルである。

これを解決するには、膨大な数のインフルエンサーが、その便利性を話題にして、斬新なネット通販の素晴らしさを話題にして、何万人ものプロを育成するしかない。

アマゾンや楽天は、今もそれを続けている。

これに勝てるのか?

ネット通販は、甘くない!

何人もが、新しいネット通販を模索している。

予算が多いから、成功するとは限らない。