2019-11-22

香港域内に拠点を置く日系企業などのうち、社会混乱で、7割が業務に影響。

戦争と平和犯罪と裁判経済調査香港

アジア経済ニュースNNA ASIAは2019年11月22日に、香港域内に拠点を置く日系企業などのうち、「逃亡犯条例」改正案を発端にした社会混乱で業務に影響が出ている企業が全体の7割超に上ることがNNAの調査で分かったと報告した。

抗議デモが本格化した直後の2019年06月末に実施した前回調査と比べておよそ6割拡大した。

交通妨害により社員の出退勤に支障が出ている企業が多数あった。

事態がさらに悪化すれば、香港事業の縮小や撤退を検討する可能性があるとの声も上がった。

調査は2019年11月20、21の両日に行い、香港域内に拠点を置く118社から回答を得た。

このうち日系は115社(割合は97.5%)、外資系が3社(2.5%)だった。

長期化する社会混乱で業務に影響が出ているかとの設問には、20.3%が「とても出ている」、51.7%が「まあまあ出ている」と回答。一方、「あまり出ていない」は27.1%で、「全く出ていない」は0.8%と1社にとどまった。

影響が出ていると答えた企業の担当者に内容を自由記入で答えてもらったところ、域内の道路封鎖や公共交通機関の運行妨害などに関連するトラブルが多く挙がった。

「入出荷の遅延」(九龍・繊維)、「原料調達が滞った」(香港島・製造)といった物流面の問題や、「時間通りにオフィスを稼働できない」(香港島・自動車部品)、「社員が出社できず業務に遅れが出ている」(九龍・卸)といった通勤に関する回答が目立った。

ビジネス活動にも支障が出ており、「アポイントがキャンセルになった」(九龍・コンサルティング)、「企業訪問やイベントの中止」(香港島・金融)、「日本からの相談・出張者の減少」(香港島・金融)といった影響が出ていた。

深刻な打撃を受けている小売業では、「商業施設・路面店の臨時休業による売り上げへの壊滅的打撃」(香港島・小売り)といった回答もあった。

混乱への対策を尋ねたところ、駐在員家族の帰国については8.5%が既に「実施済み」と答えた。
「検討している」は24.6%、「今後検討する可能性がある」は27.1%に上り、半数超の企業が家族の帰国を念頭に置いていることが分かった。「実施予定なし」は39.8%だった。

家族の帰国を検討、または今後検討する可能性がある企業に、どのタイミングでの実施を想定しているかを自由記述で尋ねたところ、最も多かったのは「幼稚園、小中学校の長期休校」で、25社が指摘した。
日本の外務省が渡航、滞在に当たって注意を促す「海外安全情報」で「危険レベルを引き上げた時」との回答も13社あった。このうち、6社は4段階のうち最も低い現在の「レベル1」から「レベル2」に引き上げた時と回答した。
既に家族の帰国を決めたという企業は、先週からの一斉休校を受けて判断したと答えた。

一方、駐在員の帰国に関しては69.5%が「実施予定なし」と回答し、最多だった。

ただ、「今後検討する可能性がある」との回答も22.9%、「検討している」との回答も6.8%あり、企業の間で危機感が強まっていることが浮き彫りとなった。「実施済み」との回答も0.8%(1社)あった。

駐在員の帰国を実施する基準としては、「危険レベルの引き上げ」との回答が最も多く21社に上った。具体的には、不要不急の渡航を止めるよう求めるレベル2は6社、渡航中止勧告となるレベル3が5社、退避勧告となるレベル4が1社だった。中国人民解放軍の介入を挙げた企業もあった。

社会混乱への対応としては、46.6%が日本などから香港への出張取り止めを「実施済み」と回答。
「検討している」との回答は16.9%、「今後検討する可能性がある」は25.4%に上った。
「実施予定なし」は11.0%だった。

域内の交通混乱が続く中、会社を臨時休業した企業も25.4%あった。「検討している」「今後検討する可能性がある」はそれぞれ7.6%、32.2%に上った。「実施予定なし」が最多の34.7%を占めた。

BCP()の策定・見直しに関しては、「今後検討する可能性がある」が最多の36.4%を占めた。
「実施済み」との回答も17.8%に上った。

この他の対応策としては、在宅勤務の実施が目立ち、社外業務用にノートPC(パソコン)を配布したとの企業も複数あった。交通混乱時に出退勤時間を柔軟に調整している企業も目立った。

「最悪のシナリオに備え、マカオへの脱出ルートを確認済み」(香港島・保険)、「外国人スタッフの一時退避先の用意」(九龍・製造)、「非常食の備蓄」(香港島・建設)なども挙がった。

社会混乱が今後の香港での事業展開でリスクになるかどうかについては、リスクになると「考える」が59.3%となり、6月末の前回調査から34.0ポイント拡大した。一方、「考えない」は7.6%と、24.6ポイント縮小した。「分からない」も9.4ポイント縮小し、33.1%となった。

リスクになると考える企業に具体的な内容を記入してもらったところ、香港の基幹産業である金融と物流分野で懸念が目立った。「国際的な金融都市の位置付けが下がるのではないか」(九龍・建設)、「金融ハブ(拠点)としての機能低下」(香港島・金融)などだ。

物流では、「香港を敬遠したサプライチェーン(供給網)の構築が考えられる」(九龍・物流)、「香港は中国の物流拠点としての位置付けだが、出荷できなくなるリスクを感じた」(九龍・貿易)、「香港を経由する物流から中国本土の港湾・空港へのシフトが検討されている」(九龍・物流)などが上がった。

これこそが、中国本土が期待していることだろう。

香港の機能を深圳や広州に移すことも、中国にとっては、大きなテーマであり、中国が香港で天安門のような実力行使を実施しない一つの要因でもある。

「社会混乱が社員のモチベーション低下につながり、パフォーマンスに影響が出ることが懸念される」(九龍・業種不明)など、生産性低下への不安も挙がった。

香港情勢を巡って経営面の課題などを尋ねたところ、香港事業の縮小、または撤退を危惧する声が目立った。「事業の縮小はもちろんのこと、極端に言えば撤退も今後検討される可能性がある」(新界・物流)、「業務への支障が続いた場合、香港の拠点を縮小し、オペレーションは(中国)大陸側に移す検討をしなくてはならない」(九龍・製造)と危機感を強めている。

一方で、「現状なら向こう1年程度の間は撤退の議論が始まる可能性は低い」(香港島・金融)との声もあり、企業による温度差があった。

「人員削減も考慮に入れる必要が出てくる」(九龍・電機)、「駐在員を一時帰国させた後、現場復帰させるタイミングの判断が難しい」(香港島・金融)といった悩みも目立った。

今後については「社会が安定するまで売り上げの成長が望めない」(九龍・製薬)と早期の事態収束を望む声が上がった。「ビジネス課題としては中米間の貿易問題の方が大きい」(新界・精密機械)との声もあった。

全体を読むと、中国の思惑に、どんどん落ち込んでいくように見える。

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