2019-07-25

トルコ中央銀行、4.25%利下げ。

経済

日本経済新聞 電子版は2019年07月25日に、トルコ中央銀行は2019年07月25日に開いた金融政策決定会合で、主要な政策金利の1週間物レポ金利を4.25%引き下げ、19.75%とすることを決めた。

政策金利を下げるのは約3年ぶりで、足元でインフレが和らぐなど緩和に転じる環境が整いつつあった。

だが市場予想を超える急激な下げ幅となった背景には、景気浮揚を狙うレジェップ・タイイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdoğan)大統領政権の圧力があるという。

トルコ中央銀行の独立性への信頼はさらに揺ぐ。

トルコ中央銀行はステートメントで「物価上昇率の見通しは改善を続けている。」などと理由を説明した。2018年夏、対米関係の悪化を受けて起きた通貨危機「トルコショック」で一時、前年同月比25%を超えたインフレ率は2019年06月に、15.7%まで低下した。

一方で通貨防衛のために政策金利が24%まで引き上げられたことで経済活動は冷え込み、GDP(Gross Domestic Product/国内総生産)は2019年01~03月期まで前年同期比で2四半期連続で減少していた。

外部環境をみれば、米国のFRB(Federal Reserve Board/連邦準備理事会)による利下げ見込みが強まっていることで、トルコが利下げをしても再び資本流出が起きるリスクは減っている。

トルコ中央銀行が景気刺激のため利下げに動く条件は整いつつあったといえる。

だが市場予想の2.5%を大きく超える下げ幅には、政治的な圧力が働いたとの見方が強い。

金利を悪と断じるエルドアン大統領はトルコ中央銀行に対して再三、利下げを求める発言を繰り返していた。
2019年07月06日には6会合連続で金利を据え置いていたムラート・チェティンカヤ(Murat Çetinkaya)前総裁を任期途中で更迭した。

エルドアン大統領は更迭の理由について記者団に「金融政策で我々の指示に従わなかったため代えざるを得なかった」と述べた。ロイター通信によると、政権はチェティンカヤ総裁に6月の決定会合で3%の利下げをするよう要求していたとされる。

トルコ中央銀行はムラート・ウイサル(Murat Uysal)新総裁のもと、さらなる利下げを模索する可能性もある。大手証券会社のイシュ・インベストメント(Ish Investment)は前総裁の更迭後、1週間物レポ金利は17%まで下がるとの予想を出した。

リラは25日の利下げ発表直後、対ドルで一時、前日比1%下げたが、その後の値動きは小幅に推移している。TEBアセット・マネジメントのヘッド、プナル・ウールオール(TEB Asset Management)のHead of Research & co-CIO, Pinar Uğuroğlu)は「市場は既に4%までの利下げは織り込んでいた」とみている。

トルコ中央銀行への信認低下はリラの中長期的な通貨価値を損ないかねない。みずほ銀行欧州資金部の本多秀俊シニア為替ストラテジストは「中銀の独立性が低いと見なされるなか、割安という理由では真剣な投資マネーはもはやトルコには来ない」と指摘する。

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