2019-04-08

オーストラリアの電力卸価格、SAとVICで記録的高値。

経済調査開発

アジア経済ニュースNNA ASIAは2019年04月09日に、AFR(オーストラリアン・ファイナンシャル・レビュー)は2019年04月08日に、オーストラリアのSA(South Australia/南オーストラリア)州とVIC(Victoriaビクトリア)州で、2019年第1四半期(01~03月)の電力卸価格がそれぞれ1メガワット時(MWh)当たりA$(豪ドル)220.15(約1万7,410円)とA$212.63となり、通常の平均の倍を超える記録的水準となったと報告した。

2019年01月の猛暑が原因の緊急措置により、VIC州の電力企業ではA$3,230万、SA州ではA$190万のコスト増となっていたと伝えた。

同期の電力卸価格は、VIC州ラトローブバレー(Latrobe Valley)にあるヘーゼルウッド石炭火力発電所(Hazelwood Power Station)が閉鎖され、かつ猛暑となった2017年第01~02四半期よりも高額となった。

エネルギー市場の管理・運営を担うAEMO(Australian Energy Market Operator/オーストラリア・エネルギー市場オペレーター)によると、SA州とVIC州では2019年01月24~25日の熱波による電力需要のひっ迫が招く全域停電を防ぐため、米国のアルミ大手アルコア(Alcoa)がVIC州ポートランド(Portland)に保有するアルミニウム精錬所などに対し、電力負荷制限または一時的な停電措置がとられた。

緊急処置によるコスト転嫁先は、電力小売企業が裁量権を持ち、通常は契約に従い法人顧客に転嫁される。

AEMOは、個人顧客に転嫁される場合は1顧客当たりVIC州でA$3.2、SA州でA$0.8と見積もっている。

AEMOのジーベルマン代表(Audrey Zibelman, CEO Australian Energy Market Operator)は「需要急増により電力供給量が大幅に減るなどの緊急時に、自由に活用できる恒久的な手段が必要だ」と話した。

電力卸価格は電力小売価格の約3割を占めており、CSIRO( Commonwealth Scientific and Industrial Research Organisation/オーストラリア科学産業研究機関)など専門機関の多くは、再生可能エネルギーが最安の供給能力拡大手段であり、電力網への導入を促進し信頼性の高いバックアップを構築すれば、電力価格の低下につながるとの見方を示している。