2019-04-04

電池「交換式」で、ホンダやヤマハ発など日本の4社で仕様を統一へ。

EV

日本経済新聞 電子版は2019年04月05日に、EV(Electric Vehicle/電気自動車)バイクの普及を目指した日本連合「電動二輪車用交換式バッテリーコンソーシアム」創設し、協働を開始する。

ホンダ、ヤマハ発動機、スズキ、川崎重工業の4社は2019年04月04日に、共同で「交換式」電池パックの仕様統一に乗り出すと発表した。

4社で協議体を設立し、仕様や実現時期などの詳細を詰めていく。

同じ電池パックを使って、各社が排気量125ccクラス以下の車格でEVバイクを開発する。

交換ステーションなどインフラ面の協業も進める。

日本市場を対象にした取り組みとするが、将来的には市場が大きいインドや東南アジアへの進出を狙う可能性が高いという。

ホンダ二輪事業企画部部長の三原大樹は、協議体を設立した理由の1つを「(中国勢のEV化の速さに)大変な危機感がある。」と語る。

特に、ホンダのシェアが7割を超える東南アジアに、中国勢が続々とEVバイクで進出しつつあると予測される。
排ガス対応など、東南アジアを含めたアジア地域でのEV需要は拡大しており、バイクメーカー各社はEVバイクの投入を避けて通れない。

バイクはクルマに比べて電池パックの搭載空間が小さく、1充電あたりの航続距離を延ばしにくい。
そこで、日本連合は電池交換式の仕組みを積極的に採用し、課題解決を狙う。

仕組みは、着脱式の電池パックを交換ステーションに挿入して充電し、複数の電池を多数の利用者で使い回す方式。

電池交換の所要時間は10秒以内。EVの弱点である充電時の待ち時間を大幅に減らし、連続的な走行を可能にする。

この方式は、小型4輪EVや3輪EVにも応用できる。

さらに、電池パックを交換式にすれば、電池技術の進歩に合わせて性能を高めて載せ替えやすい。
1個の電池パックを他モビリティーや家庭用の蓄電池などで使い回せるため、車両本体の価格を下げやすいといった利点も考えられる。

日本勢で電池交換式に積極的なのがホンダである。

「モバイルパワーパック(Mobile Power Pack)」と呼ぶリチウムイオン電池パックを自社で開発し、2018年11月に排気量125ccクラスのEVスクーター「PCX ELECTRIC」に搭載してリース提供を始めた。
2019年3月には、同電池パックを搭載すると見られる排気量50cc・110ccクラスの小型商用EVスクーター「BENLY ELECTRIC」の試作モデルを公開した。

両車両ともに電池パックは2個載せる。1個当たりの容量は約1kWhで、合計約2kWhとなる。
質量は1個当たり約10kgで、寸法は実測値で縦145×横170×高さ300mm。パナソニック製の円筒型の電池セルを採用している。

これまで電池パックの自社開発にこだわってきたホンダだが、協議体の方針次第では「(容量や寸法など)電池パックの仕様を変える可能性がある」という。

電池パックの寸法を変えると、PCX ELECTRICといった既存の車両で使うのが難しくなる。
ホンダにとっては痛手であるが、仕様を統一することによるスケールメリットの方が大きいと試算する。

ホンダ以外の3社の担当者は、「個社での実現は難しい」と口をそろえる。
そのため、既に実績があるホンダを含めた協議体の設立は渡りに船で、開発コストを各社で分担することができ、個社で取り組むよりも車両を早く市場投入できる。
規格の乱立による日本勢の共倒れを防ぐこともできる。

現状では、ヤマハ発は小型EVスクーター「E-vino」を展開している。
しかし、電池交換式のEVバイクの量産実績はまだ無い。
今回の協議体で仕様を決めて、早い段階で車両を市場投入したい考えがある。

一方で、2019年夏には台湾で現地ベンチャーのゴゴロ(Gogoro)と組んで、同社の電池交換プラットフォームを活用した車両の発売を見据える。

ヤマハ発戦略統括部統括部長の有西達哉は「地域ごとに最適なソリューションは変わる」という。
協議体で仕様を決める電池パックとは別物として扱う。

ヤマハ発と同じく、スズキも小型EVスクーターの「e-Let's」を手掛け、過去に販売していた。

車両価格の高さや充電時間の長さが足かせとなり、スズキ二輪企画部部長の福留武志は、「(市場に)受け入れられなかった」という。

中型や大型バイクが主力の川崎重工はEVバイクの量産実績が無く、協議体への参画がEVバイク実現への一歩となるという。