2019-02-24

世界中で、住宅価格頭打ち!

経済

日本経済新聞 電子版は2019年02月24日に、各国で住宅の価格が頭打ちになっている。中央銀行の利上げで金利が上がり、低金利下でマネーが流れ込み高騰した不動産の魅力が薄れたという。

一部の国では値下がりに転じ、先進国全体でも3年ぶりの低い伸びにとどまる。ここにきて利上げペースは鈍りそうだが、不動産投資は過熱を冷ます段階にあると報告した。

住宅の下落で、消費を冷やす動きが各国で連鎖すれば、世界経済の下押し要因となることも考えられる。

オーストラリアの最大都市シドニーの不動産エージェントであるアンドリュー・アナスタシウは住宅市況の変調を深刻に受け止めている。「(中古住宅を売る)オークションへの参加者は減った。消費者は様子見だ」と話している

とくに、オーストラリアや米国、カナダのような土地に余裕のある国は、起きな影響をうえることだろう。

オーストラリアでは2018年07~09月の住宅価格指数が前年に比べて1.9%下がった。
移民による人口増と海外からの資金流入で01~03月まで6年近く上昇してきたが、外国人投資家による違法な不動産購入が発覚し、オーストラリア政府のオーストラリアFIRB(Foreign Investment Review Board/外資審議委員会)は2017年に住宅ローンの審査を厳しくするよう銀行に要請した。中国政府が資本の流出を規制したため投資マネーも減った。

さらに、UBSのエコノミストは、外国人の不動産購入にかかる税金の引き上げや、国内の金融機関が外国人購入者への住宅融資基準を引き締めていること、中国からの送金規制が厳格化されたことに加え、住宅価格の今後の見通しが思わしくないことなどを挙げている。

2015年12月に利上げを再開した米国では、住宅ローン金利が2018年11月に7年8カ月ぶりの高い水準まで上がった。金利が上がると、高騰した住宅には手を出しにくい。代表的な指標であるS&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数(S&P CoreLogic Case-Shiller Home Price Indices)は2018年11月まで8カ月続けて伸び率が鈍った。

米国のダラス連邦準備銀行(Federal Reserve Bank of Dallas)が2019年01月に公表した指標によると、主要23カ国の住宅価格は2018年09月末で前年比3.9%の上昇と約3年ぶりの低水準だった。
オーストラリアとカナダ、イスラエル、スウェーデンは下落に転じた。4カ国以上が下落となったのも3年ぶりだと伝えている。

オーストラリアとカナダ、スウェーデンは1年前には10%前後の値上がりだった。
カナダは中央銀行が2018年に3回利上げし、政府が住宅の購入規制を強めた結果、市況が冷えた。
ノルウェー、アイルランドなどはプラス幅が急速に縮小している。

過熱した住宅価格が落ち着くだけなら、消費者にとっては恩恵と言える。
しかし、問題は世界の中央銀行が足並みをそろえた金融緩和が高騰を招いただけに、ある国で起きる住宅の値下がりが連鎖しかねないことにある。

IMF(International Monetary Fund/国際通貨基金)は2018年04月にまとめた報告書で、40カ国と44の主要都市における住宅価格の連動性が高まっていると分析した。
IMFは「各国の政策担当者は、他国の住宅価格の異変が国内市場に影響する可能性を無視すべきではない」と警鐘を鳴らした。

また、投資家の資金は不動産から遠ざかっている。
米調査会社EPFR(Emerging Portfolio Fund Research, Inc.)によると、オフィスを中心とした2018年の世界の不動産への投資はUS$106億2600万の流出超だった。
不動産サービス大手のJLLの調査では、東京やニューヨークなどで優良なオフィスビルに投資した場合の利回りは、過去最低の水準で、2018年12月時点で年2~3%台だった。

日米欧の中央銀行は金融政策の目標として前年比2%の物価上昇を掲げている。

だが2%に届かない国は多く、金融緩和に傾きやすい。

住宅が値下がりすると、借金をする家計の負担感が増す。資産価格の下落は個人消費を抑えるため、景気に与える影響が大きい。

活況は日本でも終わろうとしている。不動産経済研究所(東京・新宿)によると、マンション価格はそろそろピークという認識が広がっている。2018年の首都圏の分譲マンションの平均価格は5871万円と前年より0.6%下がり、2年ぶりの下落となった。

ダラス連邦準備銀行がまとめる住宅価格の前年比伸び率は、2015年初めから世界経済の成長率を上回ってきた。足元では成長率に近づく。リーマン・ショックの前も、住宅価格の下落は成長率の低下に先駆けて起きていたと伝えている。

S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数でニューヨークを見ると、かなり危険である。

2019-02-21---オーストラリアで、外国人の不動産違法購入による強制売却増加。
2019-01-25---オーストラリア、中国の乗っ取りを阻止せよ!-2
2019-01-17---オーストラリア、中国の乗っ取りを阻止せよ!-1
2018-05-31---融資規制などで、中国のオーストラリア不動産投資半減。