2019-01-15

イギリス議会、EU離脱案を圧倒的大差で否決!

政治経済イギリスEU

日本経済新聞 電子版は2019年01月16日に、イギリス議会下院で2019年01月15日夜に、EU(European Union/欧州連合)と合意した2020年末までに完全離脱の準備をする「移行期間」を設けることや、離脱にあたり英国がEUに支払う清算金の概要などが盛り込まれているEU離脱案(EU withdrawal plan/Brexit plan)を下院議員650人のうち、伝統的に登院しないシン・フェイン党の7人や議長団などを除いた議員が参加して採決し、投票結果は賛成202票、反対432票となり、政府の離脱案は大差で否決された。

与野党双方からの離脱案への反発が収まらず、230票差という圧倒的大差での歴史的な否決となった。

イギリスのテリーザ・メイ(Theresa Mary May)首相は「議会が離脱案を支持していないことが明らかになったが、それでは何を支持するのかは決まっていない.」と、代替案に関して他党とも対話をする方針をにじませた。

野党第1党の労働党のジェレミー・コービン党首(Labor leader Jeremy Corbyn)は「この採決の結果で(政権への不信が)決定的になった」と述べ、メイ政権に対して内閣不信任案を提出すると表明し、否決の直後、内閣不信任案を提出した。

内閣不信任案の採決は2019年01月16日夜(日本時間17日早朝)に行われる。

不信任案が過半数の支持を得れば、メイ政権の退陣や解散・総選挙につながる。

2019年03月末にEU離脱が迫っているが、それまでに議会の承認が得られない場合には、イギリスが離脱時期の先送りや離脱の撤回を決断しない限り、経済を混乱させる「合意なき離脱」となる。

離脱案で最大の問題は、唯一の陸続きである英領北アイルランドとEU加盟国アイルランドの国境問題で、具体策が見つかるまで、イギリス全土をEUの関税同盟に残すという「安全策」を盛り込んだため、「離脱後も永久にEUに縛られ続ける」との猛反発を招いている。

テリーザ・メイ首相は、週明けにも議会に代替案を提示すると言われているが、230票の圧倒的大差で否決されたため、小手先の修正では不可能である。

これで、イギリスが「合意なき離脱」を回避できるとは、考えられないが、離脱時期の先送りや離脱の撤回を決断すると、さらに混乱を招くことになる。

出口が、どんどん狭まっている。

イギリスの新聞「デイリー・エキスプレス(Daily Express) 」は、欧州連合のユンケル(Jean-Claude Juncker)欧州委員長(President of the European Commission)は2019年01月15日夜に、下院での投票の結果に遺憾の意を表して「無秩序な離脱のリスクが高まった(time is almost up)」との緊急声明を公表した。
「離脱案は、公正な妥協であり、可能な限り最良の取引です。それはヨーロッパの市民と企業のためにBrexitによって引き起こされる損害を減らします。欧州連合からのイギリスの秩序ある撤退を確実にする唯一の方法です。」と言った。

スペインのペドロサンチェス首相(Pedro Sanchez, Spain's Prime Minister)は、「否定的な結果を遺憾に思う。」「合意は可能な限り最良であり、順不同の出口はEUにとっては否定的であり、イギリスにとっては壊滅的なものになるでしょう。」と言った。

ベルギーのチャールズ・ミシェル首相(Charles Michel, Belgium's Prime Minister)は、「私たちは私たちの市民の権利を保証し、私たちの会社を守ります。」「強い経済貿易関係を維持することは不可欠です。」「EUと緊密に協力して、ベルギー政府は自らを準備し、具体的な措置を講じています。」と言った。

ポーランドのマテウス・モラウィック首相(Mateusz Morawieck, Poland's Prime minister)は、「合意なき離脱は、英国とEUの両方にとって、悪い解決策です。 私たちはEUのパートナーと共に、新しい英国の提案に応えます。」「私たちは、市民と企業に最大限の確実性と安全性を保証するために全力を尽くします。」と言った。

オーストリアのクルツ首相(Austrian Chancellor Sebastian Kurtz)はTwitterで、「いずれにせよ離脱協定案の再交渉はないだろう。(We will not reopen withdrawal agreement. No-deal would b bad for for EU, but worse for UK)」と反応した。

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