2018-10-14

中国では、ホテルのチェックイン時に顔写真の撮影義務化が始まった。

観光中国

Forbes JAPANは2018年10月14日に、2018年07月上旬から08月にかけて約1カ月間、中国の東北三省(遼寧省、吉林省、黒龍江省)の都市や辺境エリアを訪ねた時の情報を紹介した。

中国では、もはや大都市圏より地方のほうが暮らしやすいのではないか?
しかも、スマホによる決済システムと、それに連動したさまざまな生活サポートアプリが普及し、サービスを競い合っている。

たとえば、中国では乗り捨て自由のシェアサイクルが普及し、市民の足となっている。

この種のサービスが日本より進んでいることを改めて実感するのは、中国のオンライン旅行大手Ctripが提供するTrip.comのアプリをダウンロードしておけば、中国のホテルや航空券、鉄道の予約が簡単にでき、その場でモバイル決済もできる。

食事や打ち合わせが長引き、何時の列車に乗ればいいか決められないときでも、駅に向かうタクシーの中で最速の便を予約できる。

こうした移動手段のお手軽なスマホ予約・決済は、中国ではいまや常識となっている。大都市圏だけでなく、地方の町や農村でもそうだ。

いまの中国はQRコード社会でもある。現地の人が手渡してくれるホテルやレストランなどのビジネスカードや名刺には、当たり前のようにQRコードが付いている。それをスマホでスキャンすると、アプリが立ち上がり、それぞれの施設や企業の情報が公開される。

こうした民間社会の表向きの明るさと対照的なのが、深く進行する監視社会の強化である。

数年前から高速鉄道や郊外バスに乗車する際の「実名登録制」が徹底され、乗客は個人身分証やパスポートを提示しなければチケットが購入できなくなった。

これが何を意味するかというと、中国に入国したとたん、移動のすべてが当局に捕捉されてしまうという現実である。

その外国人がどの日の何時何分発の列車に乗っているか、入国時のパスポートチェックのとき提供した顔写真と指紋がひも付き、座席ナンバーまで追跡できる。

今秋以降、中国ではホテルのチェックイン時にゲストの顔写真の撮影が義務付けられ、IT先進地の広東省では、すでに今年初めから始まっていた。

上海では11月から完全義務化される。
開始時期は地方によって遅れはあるものの、今後、各地で徹底されていくという。

ある現地ホテルの関係者は、お客がパスポートや身分証を提示された後、フロントに設置されたウェブカメラで撮影し、管轄の警察署に写真が送信する。

中国では身分証の持ち主と実際の宿泊客が違うケースが時折見られ、それを取り締まるのが目的のようで、このルール自体は以前から存在しており、これまで厳格に実行されていなかったが、今秋から義務化されたという。

日本をはじめ国際社会では、ホテルが個人情報の開示や提供に制限を設け、プライバシーポリシーを掲げるのは常識である。大学のホテル経営論のテキストにも書かれていることで、ホテルの信用に関わる問題になっている。ところが、中国では当局によってあっさり無視される。

先頃の米中貿易戦争の厳しさを増す米国の対中姿勢の変化の背景に、「経済成長すればやがて民主化するだろう」というこれまでの中国に対する好意的関与の姿勢が裏切られたことへの反動があるとの指摘もある。

今回の話もそれに似た失望があったと報告している。