2018-08-14

江戸の庶民は、関西人より雑穀摂取。

研究調査食品健康

毎日新聞、NHKは2018年08月14日に、江戸時代に出版された本の繊維に紛れ込んだ髪の毛を分析した結果、当時の食生活や地域間で食事の内容が違うことがわかったと、龍谷大学(Ryukoku University)などの研究チームが発表したと報告した。

この研究は、龍谷大学理工学部の丸山敦(Atsushi Maruyama)准教授の研究グループが2018年08月14日に、イギリスのオンラインの学術雑誌Scientific Reportsで発表した。

Article | OPEN | Published: 14 August 2018

Hairs in old books isotopically reconstruct the eating habits of early modern Japan
Atsushi Maruyama,
Jun’ichiro Takemura,
Hayato Sawada,
Takaaki Kaneko,
Yukihiro Kohmatsu &
Atsushi Iriguchi
Scientific Reportsvolume 8, Article number: 12152 (2018)

江戸時代の本の表紙に使われている再生紙には、当時の人の髪の毛が繊維にからまって紛れ込んでいることがあり、研究グループは、本が出版された時期や地域ごとに、髪の毛に含まれる窒素や炭素を特殊な装置で分析した。

研究グループによると、窒素や炭素の同位体の比率からおおまかな食事の内容がわかり、江戸時代中期から後期にかけて海の魚を食べる割合が次第に増えていったことや、江戸の人たちがアワやヒエなどの雑穀を多く食べていたのに比べ、京都や大阪の人たちはコメを多く食べていた可能性があることが確認できたという。

これは、江戸では白米人気とともに「江戸患い」と呼ばれたビタミン欠乏症「かっけ」が流行し、対策としてアワやヒエなど雑穀が食べられたこととの関連が考えられるという。

江戸時代の本は古本市などでも手に入りやすいことから、丸山准教授は、「今後は研究の材料をさらに収集し、細かい年代や地域を分析して飢きんの時期に、何を食べていたのかなどを調べていきたい」と話している。

書誌学者が絶対に挑戦しない、不思議な古本を活用した研究であった。

これに似た研究で、書誌学で行われたのは、古紙の中に紛れ込んだ木綿や麻布で、再生紙の製造方法の年代を割り出した研究を報告したものや中国からシルクロードで伝わった紙の製法が、レバノンからどのようにヨーロッパにたどり着いたかを研究したレポートもあるが、紛れ込んだ髪の毛だけを調査した研究は知らなかった。

ただし、扱った本は、京都が12冊、大阪が5冊、江戸/東京が5冊、名古屋が1冊であった。

髪の毛は54160本を採取し、本の出版年代は1685年から1865年であった。

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