2018-08-06

新興国の債券が、大量償還時代に入る!

経済戦争と平和

日本経済新聞 電子版は2018年08月06日に、新興国の国や企業が発行している債券が2018年から大量に償還を迎える。
今後3年間で毎年、過去最高となる100兆円規模の返済が必要になる。

3年前と比べほぼ2倍でる。

超低金利を背景に債券発行を増やしてきたが、米国など世界の中央銀行は大規模緩和の出口に向かう。
今後は金利上昇で借り換えのコストが重くなる見通しで、新興国経済の新たなリスクとなると予測されている。

2008年のリーマン・ショック(Lehman Shock)以降、世界の中央銀行は大規模な資金供給で景気を下支えしてきた。世界的に超低金利が続くと新興国の政府や企業は低い金利で債券を発行し、資金を調達してきた。

低金利で運用難となった投資家はギリシャやアルゼンチンといった信用力の低い国の債券でも購入してきた。

調査会社ディールロジック(Dealogic)によると今後3年で満期を迎え償還が必要になる債券はUS$3兆2297億(約359兆円)にのぼる。

内訳は国債が1割、社債が9割で、合計した償還額は2018年にUS$8919億、2019年にUS$1.1兆、2020年にUS$1.2兆と毎年増えて過去最高の更新を続ける。

償還額の多くを占めるのが中国で、企業と政府部門をあわせた今後3年間の償還額はUS$1兆7531億(195兆円)と新興国全体の54%になる。

償還額の多い国はロシアが3年間でUS$1330億、メキシコが3年間でUS$881億、ブラジルがUS$3年間で1360億となる。

債券は償還期限が来ると投資家に資金を返済しなければならない。通常は新たに債券を発行し、資金を手当てするが、投資家層の薄い新興国では国内投資家からの資金調達だけでは間に合わず、ドル建ての債券で海外の投資家からも資金を集めている。

IIF(Institute of International Finance/国際金融協会)によると企業と政府をあわせた新興国の債務は、2018年06月末時点でUS$57兆と世界全体の債務額の3割を占める。

米国は利上げを進めており、新興国通貨に対するドル高が進む。金利が上昇すると利払いの負担が重くなり、ドル高により新興国通貨で計算した債務の返済額も増える。
信用力の低い国や企業でも有利な条件で債券を発行できた時代は終わろうとしている。

中国では企業が設備投資や金融資産の購入のために債務を膨らませている。金融当局は過剰債務を解消しようと金融の引き締めを急いだ結果、資金の再調達が難しくなり、債務不履行(default/デフォルト)に陥る企業が相次ぐことになる。

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