2017-11-29

北朝鮮、「核戦力完成」宣言。

戦争と平和

毎日新聞は、北朝鮮は2017年11月29日午前2時48分(日本時間3時18分)ごろ、西部の平安南道(ピョンアンナムド)平城(ピョンソン)付近から弾道ミサイル1発を発射した。

約53分後に青森県の西方約250kmの日本のEEZ(Exclusive Economic Zone/排他的経済水域)内に落下した。
高度は4000kmを大きく超え、通常軌道で発射された場合、米本土に到達する可能性がある。北朝鮮は新たに開発したICBM(InterContinental Ballistic Missile大陸間弾道ミサイル)「火星15(화성 15/ファソン15/Hwasong-15)」の発射に成功したと発表した。

北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン/Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長は「国家核戦力完成の歴史的大業」を果たしたと宣言した。

「火星15」が発射されたのは初めてで、これまでの軍事パレードでも公開されていない。
新型の詳細は不明だが、北朝鮮は「技術的に火星14を上回る」と説明しており、火星14のエンジンなどを改良した可能性がある。北朝鮮の弾道ミサイルの発射は、北海道・襟裳岬の東約2200キロの太平洋に着水した9月15日の中距離弾道ミサイル「火星12」以来、2カ月半ぶりになる。

ミサイルは通常より高く打ち上げる「ロフテッド軌道」で発射されたと言われている。

防衛省によると、飛距離は約1000km、最高高度は4000km超。

小野寺五典防衛相は「かなりの能力を持った大陸間弾道ミサイル」と語り、通常軌道での飛距離は過去最長になるとの見方を示した。米専門家は、通常軌道で発射された場合の飛距離は過去最長の約1万kmを超える最大1万3000kmと推定している。

北朝鮮のKCTV(조선중앙텔레비죤/Korean Central Television/朝鮮中央テレビ)は29日正午(日本時間午後0時半)に政府声明を発表。金委員長立ち会いの下、発射された「火星15」が「米本土全域を打撃できる超大型重量級核弾頭の搭載が可能な大陸間弾道ミサイル」であると主張し、「われわれが目標としたミサイル兵器システム開発の完結段階に到達した」と強調した。また、ミサイルの高度は4,475km、飛距離は95kmに達したと説明した。

安倍晋三首相は2017年11月29日に、米国のドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領と電話で協議し、日米、日米韓の連携を進め圧力を強化する方針を確認した。北朝鮮に影響力を持つ中国の「さらなる役割が重要」との認識で一致した。

首相は米国が北朝鮮をテロ支援国家に再指定したことを「英断」と評価し「重要な一歩だ」と伝えた。首相は韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領とも電話で協議。日米韓で圧力強化に向け「しっかりとすり合わせる」ことで一致した。

トランプ大統領は2017年11月28日(米国時間)、ホワイトハウスで記者団に「しっかり対応していく」と述べ圧力強化方針を堅持する考えを強調した。ティラーソン国務長官も声明で北朝鮮を非難したうえで朝鮮戦争の国連軍に部隊を派遣した各国や日韓を含む関係国による会合をカナダと共催し、北朝鮮問題を協議すると明かした。

一方、日本経済新聞 電子版は2017年11月30日に、北朝鮮は2017年11月29日に2カ月半ぶりにICBM発射を強行したが、その間、金正恩委員長は核・ミサイル開発の陣頭指揮でなく、自動車工場、トラクター工場、ナマズ養殖場、化粧品工場、履物工場、果樹農場など、さまざまな生産施設の現地指導に精を出していた。「核戦力の完成」を高らかに宣言したものの、正恩氏の言動からは強まる経済制裁への焦りが透けると伝えた。