2017-11-22

京大の基礎研究で、3薬併用でアルツハイマーに効果!

健康美容と医学の科学研究調査

日本経済新聞 電子版は2017年11月22日に、京都大学の井上治久教授らはiPS細胞を活用してアルツハイマー(Alzheimer)病の患者の細胞を再現し、発症原因とされる物質を減らす3種類の薬の組み合わせを見つけたと報告した。

3つともそれぞれ別の病気で使われている既存薬で、投与することでアルツハイマー病の発症や進行を抑えられる可能性があるという。

今回は基礎研究の成果で、動物実験などで詳しく調べる。

成果は米国科学誌セル・リポーツ(Cell Reports)に2017年11月22日に掲載される。

iPSC-Based Compound Screening and In Vitro Trials Identify a Synergistic Anti-amyloid β Combination for Alzheimer’s Disease
Takayuki Kondo,1,2
Keiko Imamura,1,2
Misato Funayama,1
Kayoko Tsukita,1
Michiyo Miyake,1,2
Akira Ohta,1
Knut Woltjen,1,3
Masato Nakagawa,1
Takashi Asada,4
Tetsuaki Arai,4
Shinobu Kawakatsu,5
Yuishin Izumi,6
Ryuji Kaji,6
Nobuhisa Iwata,7,8 and
Haruhisa Inoue1,2,9,*

1Center for iPS Cell Research and Application (CiRA), Kyoto University, Kyoto 606-8507, Japan
2Drug-Discovery Cellular Basis Development Team, RIKEN BioResource Center, Kyoto 606-8507, Japan
3Hakubi Center for Advanced Research, Kyoto University, Kyoto 606-8501, Japan
4Department of Psychiatry, Division of Clinical Medicine, Faculty of Medicine, University of Tsukuba, Ibaraki 305-8575, Japan 5Department of Neuropsychiatry, Aizu Medical Center, Fukushima Medical University, Fukushima 969-3492, Japan
6Department of Clinical Neuroscience, Institute of Biomedical Sciences, Tokushima University Graduate School, Tokushima 770-8503, Japan
7Department of Genome-based Drug Discovery, Graduate School of Biomedical Sciences, Nagasaki University, Nagasaki 852-8521, Japan
8Unit for Dementia Research and Drug Discovery, Graduate School of Biomedical Sciences, Nagasaki University, Nagasaki 852-8521, Japan 9Lead Contact
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Kondo et al., 2017, Cell Reports 21, 2304–2312
November 21, 2017 a 2017 The Author(s).
https://doi.org/10.1016/j.celrep.2017.10.109

Received: February 24, 2016
Revised: September 17, 2017
Accepted: October 26, 2017
Published: November 21, 2017

認知症の半数以上を占めるアルツハイマー病は「アミロイドベータ(amyloid β)」というたんぱく質が、脳内に蓄積して起こると考えられている。この物質は発症の10年以上前からたまり、神経細胞などが死滅する。高齢社会の到来で患者は増えており国内で250万人を超える。現在の治療薬は進行を和らげる程度にとどまり根本治療法はない。

研究チームはアルツハイマー病患者からiPS細胞を作製。脳の神経細胞に育てた。神経細胞はアミロイドベータ量が多いという患者の病態を再現していた。この量を減らす効果があるか既存薬1258種類を調べた。

この結果、パーキンソン病などの薬「ブロモクリプチン(Bromocriptine)」、ぜんそくの薬「クロモリン(Cromolyn)」、てんかんの薬「トピラマート(Topiramate)」の3種の組み合わせが最も効果があった。アミロイドベータの蓄積量を30〜40%低減できた。

井上教授は「患者での効果はまだ分からないが予防や治療に使える可能性がある」と話す。3種類とも既存薬なので安全性は高いとみている。

アルツハイマー病に詳しい大阪市立大学の富山貴美准教授は「今回の組み合わせで病気の発症を予防できる可能性があるが、動物実験による確認が必要だ。既に神経細胞が死滅し傷ついた脳の組織を再生するのは難しいだろう」と指摘する。

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