2017-10-18

ハチを引き寄せる花の「青色ハロー」効果。

自然

AFPは2017年10月19日に、数百種の花は、受粉を媒介するハナバチをおびき寄せるために、人間の目には見えない青色のハロー(後光)のような光を発する能力を進化させたとの研究結果が2017年10月18日に、発表されたと報告した。

イギリスの科学誌ネイチャー(Nature)に発表された論文によると、研究室での実験では、同じような紫外線のリングを発生させる造花にマルハナバチが引き寄せられることを確認できたという。

Disorder in convergent floral nanostructures enhances signalling to bees

Edwige Moyroud,
Tobias Wenzel,
Rox Middleton,
Paula J. Rudall,
Hannah Banks,
Alison Reed,
Greg Mellers,
Patrick Killoran,
M. Murphy Westwood,
Ullrich Steiner,
Silvia Vignolini &
Beverley J. Glover
AffiliationsContributionsCorresponding authors
Nature (2017) doi:10.1038/nature24285
Received 12 January 2017
Accepted 19 September 2017
Published online 18 October 2017

論文の共同執筆者で、スイスのアドルフ・メルクレ研究所(Adolphe Merkle Institute)のウルリッヒ・スタイナー(Ullrich Steiner)は、AFPの取材に「このハロー効果は、光学スペクトルの紫外領域で発生する。

この領域の光は人間には見えない」が「ハナバチには見える」と語った。

実験結果は研究チームを驚かせた。

「青色ハロー」は花弁表面にあるナノスケールの凹凸構造から発せられている。
構造に規則性はないと思われ、花によって大きく異なっている。

論文の主執筆者で、イギリスのケンブリッジ大学(University of Cambridge)植物園の園長を務めるビバリー・グローバー(Beverly Glover)は「花弁のナノ構造にみられるこの不規則さは進化によって獲得されたと考えられ、結果的には花とハチとのコミュニケーションの助けになっている。」と説明する。

過去の研究では、ハチは花蜜を出す植物の匂いに引き寄せられるが、手がかりの大部分は色や花弁の形にあったとの考えが示されていた。

ハナバチは、光スペクトルで青から紫へと連続的に変化する帯域の色に特に敏感に反応する。

そして、一部の植物は、このことを「知る」ように、何らかの形で遺伝子にプログラムされている。

しかし、青は花の中では比較的珍しい色であるため、ここには矛盾が生じてしまっているようにも思える。

論文の共同執筆者で、ケンブリッジ大学の生化学者のシルビア・ビニョリーニ(Silvia Vignolini)によると「多くの花は、遺伝的および生化学的に、色素の化学物質を操作して青から紫にかけての色を発色させるための能力に欠けている。」という。

そのため、反射された日光が「青色ハロー」を生成するように花弁に分子を並べることが、花粉媒介者を引き寄せるための代替的な進化戦略として登場した。

注目すべきなのは、他の面では多様に異なる種類の花が結果的に同じ「おとり」を使うようになった点である。

「『青色ハロー』を生成する花弁の突起構造は、さまざまな花の系統で何度も進化を重ね、最終的にすべてがこの花粉媒介者への光信号に集結していることを、今回の研究結果は示唆している」と、ビバリー・グローバーは話したと伝えている。