2016-02-15

日銀券(お札)の発行残高の増加ペースが上昇している。

モバイル・マネー経済銀行

日本経済新聞 電子版は、コモンズ投信会長渋沢健によるコラム「マイナス金利は成長への覚醒を促す苦い薬」を公開し、ここ数カ月、日銀券(お札)の発行残高の増加ペースが上昇していると報告している。

電子マネー、クレジットカードやネット決済が一般的になり、お札や硬貨を日常生活で使うことは以前と比べると減る傾向であるはずだが、1年前の2015年1月の日銀券の発行残高は前年同月比3.5%増であったが、直近の2016年1月は6.2%増に上昇している。増加率は15年10月に6%に乗せた。同年12月は日銀の見込みの5.8%増に対して、実績は6.1%増と上振れし、日銀券の需要が増えている。

その原因が、マイナス金利で金利が異常に低いために、国債や預金という形で資産を保有するのとキャッシュで持つのと大差ないからだろう。しかも国債にマイナス金利がつくような状況では、投資すると損をするだけであるという意識からだと分析して言う。

もしかすると今年から始まった「マイ・ナンバー」制度で、この制度の導入に不信感を覚える人々が、金融機関に保有している預金や資産を引き落として、タンス預金として手元に置いている現象が日本社会で広まっているのかもしれないとも言っている。

ただし、この考え方は、火災・盗難などから生じるリスクを逆に高めているだけで、決して合理的な判断とはいえないと言っている。

泥棒やこれまで銀行で食い止めようとしたオレオレ詐欺も銀行に行って振り込むのではなく、現金を直接手渡しし、もっとも犯人逮捕が難しくしている。

喜ぶのは、泥棒と詐欺師である。

最近、オレオレ詐欺で現金を手渡したというニュースを聞いたところである。

読売新聞は2016年02月06日に、詐欺グループはこれまで、現金を振り込ませたり、私設私書箱に送らせたりするケースが多かったが、昨春から「他府県誘導型」が急増した。呼び出された場所は、東京都内が9件で最も多く、名古屋、広島両市が各4件で続いた。いずれも新幹線で移動できる大都市で、「詐欺グループの拠点が東京から地方にも広がりつつある。」県警幹部がいっている。同課は「金融機関窓口での行員らの声かけなどの結果、金の受け取り手段が摘発リスクの低い方法に移った」と分析していると報告した。

振り込め詐欺ではなく、手渡し詐欺である。
つまり、それだけの現金をタンス預金で持っているということである。

日銀が2月に見込む日銀券の増加率6.2%と比べて実績が上振れするれば、日本国民は日本銀行が発信している懸命なメッセージに耳を傾けていないということになる。
日銀のメッセージは明快で、
(1)円金利の債券の運用は控えろ
(2)現金の保有を減らせ、という2点であった。

日銀が大声で発信しているメッセージが、日本人の耳に入らないのであれば、政策の異次元からの出口は永遠と見つかることない。

もともと自立的成長までの時間稼ぎであるはずの異次元政策が無期限に続くということは、我々と後世の豊かさの持続性が脅かすリスクが高まることにもなり、夜明けは遠のく!

経済学者が考えるほど、日本人は展望を持っていないのだろうか?

経済学者はお金には詳しいかもしれないが、人の心理を読んでいない。

2016-01-29---マイナス金利政策の導入を決定。
2014-09-04----欧州中央銀行は金利を引き下げ、新しい景気刺激策を導入。

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