2015-07-23

日本経済新聞社、イギリスのFT買収。

AFPは2015年07月24日に、イギリスの大手出版社ピアソン(Pearson)は2015年07月23日に、傘下のイギリス経済紙FT(Financial Times/フィナンシャル・タイムズ)を£8億4400万(約1600億円)で日本経済新聞社(Nikkei)に売却すると発表したと報告した。
この買収について日本経済新聞社側は、デジタル事業を柱としたグローバル拡張戦略の一環であり、経済分野における「アジアのリーディング・メディア」となるという目標を示すものだと説明した。

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だが一方で、この異国のメディア同士の思いもよらぬ融合は、1888年創刊の歴史あるFTの編集権の独立に関する懸念も呼んでいると報告している。

米国のWSJ(Wall Street Journal/ウォール・ストリート・ジャーナル)や米経済通信社ブルームバーグ(Bloomberg)などの大手経済メディアに対抗しようとする日本経済新聞社は、FTの買収により、世界的に知名度の高いブランドと22万5000部の発行部数を手に入れることになる。オンライン購読者は日経とFTを合わせ、米国の新聞ニューヨーク・タイムズ(New York Times)の91万人を超える。

だが、日本経済新聞社によるFT買収は文化の衝突を招くかもしれない。
日本経済新聞社は、企業の収益結果やその他のニュースを公式発表の数週間前に特権的に入手しているとされ、FTを含む各メディアから批判を受けてきた。さらに日本のメディアは、調査報道に及び腰で、衝突や反感を避けて自己検閲する傾向があるとして、たびたび批判を受けていると報告している。

ニューヨーク・タイムズのある記者はツイッター(Twitter)で、「心配だ。日経はいわば日本企業のPR装置で、2011年のオリンパス(Olympus)の不正会計事件もFTはすぐ報じたが、当初は無視していた。」と述べた。

過去にFTで政治部長と金融部長を務めていたBBC(British Broadcasting Corporation/英国放送協会)のロバート・ペストン(Robert Peston)経済部長も、「もし私が今もFTにいたとしたら、すべての権力の責任を追及する文化(たとえFTが、他の皆と同じく、しばしばそれに失敗するとしても)を尊重するのか、日経に問うだろう」と、ツイッターで懸念を表明した。

一方、日本経済新聞の岡田直敏(Naotoshi Okada)社長は24日に都内で開いた記者会見で、日経がFTの記事の判断に介入することはしないと述べ、不安払しょくに努めた。岡田社長はFTの編集権について「独立を維持する」と表明した。
デジタル面でも連携する。FTは1995年に電子版を創刊し、約50万人の有料読者を抱えている。日経の電子版読者も43万人を超える。
FT買収で世界のビジネスメディアは「日経・FT」と、米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)を傘下に持つダウ・ジョーンズ、通信社の米ブルームバーグなどに集約される。
「システムや顧客管理はFTが一歩先を行っている」と述べ、新サービスの開発や広告にFTのノウハウを取り込む考えを示し、「紙と電子版がミックスした競争の流れは進んでいく」としたうえで、「(日経・FTは)コンテンツ面でも規模的にも世界最大のメディアになる」と話し、グローバル競争に勝ち抜く自信を示した。
喜多恒雄(Tsuneo Kita)会長も、喜多恒雄会長は「報道機関にとって最も重要な編集権の独立は維持する」と強調した。そのうえで「欧米とアジアをカバーする真のグローバルメディアとして互いに成長していく」と語った。

買収には経済活動のグローバル化に伴う読者ニーズの変化に一気に対応する狙いがある。日経はアジアを中心とするグローバル報道に力を入れている。FTは欧米で高いブランド力を誇る。

喜多会長は会見で「(FTは)グローバル化を進めるために最も良いパートナー」と指摘した。FTの経営陣や編集のトップは続投し、人員も削減しない。日経の英文媒体「Nikkei Asian Review(NAR)」にFTの取材力を活用することなどを検討する。FTの紙面や内容を変える方針はないと語った。

1600億円の買収費用は手元資金と金融機関からの借り入れで賄う。年内に買収手続きを終える見込みだ。日経とFTは以前から記事の相互利用などで関係が深いが、買収により人材の交流やノウハウの交換が可能になる。岡田社長は「FTの持っている資産価値と、両社でつくる新しい価値を考えると見合う金額だ」と話した。

日本経済新聞は、自社のことでこれほど多くの記事を配信したのは、はじめてだろう。

*日経、英FTを買収 ピアソンから1600億円で (2015/7/24 0:20)
*日経新聞とFTの概要 (2015/7/24 0:34)
*日経のFT買収、海外メディアが相次ぎ報道 (2015/7/24 9:43)
*ピアソンCEO「日経は我々と同じ文化」 FT売却 (2015/7/24 10:56)
*閣僚から期待の声 日経のFT買収 (2015/7/24 10:59)
*FT編集の独立維持 日経会長「真の世界メディアへ」(2015/7/24 22:43)
*日経社長「グローバル報道の充実をめざす」 (2015/7/24 22:56) [映像あり]
*「読者開拓で連携」 日経会長・社長の一問一答 (2015/7/24 23:05)
*日経の英FT買収、海外の専門家ら関心 (2015/7/25 1:20) [有料会員限定]
*デジタルが促すメディア大競争 日経、英FTを買収 (2015/7/25 1:17)
*FT親会社の英ピアソンCEO「教育事業テコ入れ」 (2015/7/25 1:19)
*「FTと日経、同じ目線で切磋琢磨」 会見全文 (2015/7/25 1:25)

2012-10-29---ペンギンとランダムハウスは合弁事業に同意。
2012-10-03---ピアソンの最高経営責任者マージョリー・スキャンディノ辞職。
2011-02-28---フィナンシャル・タイムズのWebサイト79%上昇!
2008-07-02---Financial Times、中国で裕福層向け雑誌創刊!
2008-05-28---新聞社グループ「ピアソン(Pearson)」、中国で拡大!
2008-04-27---UAEで、IHTとFTがデビューする!
2008-04-22---中国語版Financial Times発行、ピアソン新聞クーデター予定!
2008-01-30---「FT Deutschland」の株式50%をピアソン(Pearson)社が売却した。
2007-11-05---FT出版社が、Echosビジネス・グループの売却で合意!
2007-07-31---Financial Timesから見た、マードックのWSJ買収劇!

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