2015-05-15

米国特殊部隊、ついにシリアで陸上作戦を開始!

AFPは2015年05月17日に、これまで空爆だけに頼ってきた米軍が、夜間急襲作戦を実行し、幹部の1人を殺害したと発表したと報告した。

NSC(National Security Council/米国家安全保障会議)のバーナデット・ミーハン(Bernadette Meehan)報道官は2015年05月16日に、米国特殊部隊がシリア国内でイスラム過激派組織「IS(Islamic State/イスラム国家)」に対する夜間急襲作戦を実行した。

ミーハン報道官によると、米国特殊部隊は2015年05月15日夜に、ISの大きな収入源である石油密売を担当していたアブ・サヤフ(Abu Sayyaf/جماعة أبو سياف‎,)容疑者と妻のウム・サヤフ(Umm Sayyaf)容疑者を拘束する目的で、シリア東部のオマル(Al-Omar)を急襲した。アブ・サヤフ容疑者は特殊部隊に向かって反撃したため殺害された。妻のウム・サヤフ容疑者は身柄を拘束され、現在イラク国内の軍事施設で勾留されている。

米国特殊部隊による今回の大胆な急襲作戦は、ISへの攻撃を空爆中心に行っている米軍によるあまり例のない陸上作戦だった。
原油埋蔵量の多いデリゾール(Deir Ezzor)県に位置するオマルは、シリア国内でも最大の油田地帯の1つで、現在もISの支配下に置かれている。

アシュトン・カーター(Ashton Carter)米国国防長官は、アブ・サヤフ容疑者の殺害が「ISにとって大きな痛手となる」と述べた。
ミーハン報道官は、米国特殊部隊はイラク政府の同意の下、イラク内の基地から出動したと公表した。
特殊部隊の構成人数は明らかにされていないが、負傷者はいなかった。

匿名の米国政府筋によると、今回の作戦で「12人程度」のIS戦闘員が殺害された。銃撃戦はかなりの至近距離で行われ、一時は格闘にもなったという。

アブ・サヤフ容疑者夫妻の急襲作戦について、シリア政府には事前の通告が行われていなかった。しかしシリア政府は、同国陸軍がオマルでISの「石油大臣」アブ・タイム・サウジ(Abu al-Taym al-Saudi)を殺害したと公表した。この人物がアブ・サヤフ容疑者と同一人物であるかどうかには言及していない。

ISは、古代都市パルミラの北部の大半を制圧している

イギリスに拠点を置く非政府組織(NGO)シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)によると、ISは2015年05月13日にシリア中部の古代都市パルミラ(Palmyra)に向けて進撃を開始した。既にパルミラの北部の大半を制圧し、激しい戦闘になっているという。電話でAFPの取材に応じたシリアの古代文化財当局の責任者は、UNESCO(United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization/国連教育科学文化機関/ユネスコ)の世界遺産に登録されているパルミラが破壊されるのではないかという「恐怖を感じている」と語った。

イラク国内で、ISは2015年05月15日にアンバル(Anbar)州の州都ラマディ(Ramadi)の政府施設を制圧したのに続き、ラマディ市内に残された最後の政府側陣地を包囲している。ISがラマディを制圧すれば、2014年6月の猛攻でISの手に落ちたニナワ(Nineveh)州の州都モスル(Mosul)に続き、イラクで最大の州と2番目に大きな州の州都が両方ともISに制圧されることになり、ISにとっては今年最大の戦果となる。

地元当局者によると、増援がラマディなどアンバル州に送られているほか、イラク軍と米軍主導の有志国はこの地域のISの拠点を空爆していると報告した。

デリゾール(Deir Ezzor)のGoogle Earthポインター情報
35°20'09.6"N 40°08'42.9"E
または、
35.336000, 40.145244

ラマディ(Ramadi)のGoogle Earthポインター情報
33°25'00.0"N 43°18'00.0"E
または、
33.416667, 43.300000