2014-04-08

下半身不随患者の電極移植術が向上!

美容と医学の科学

AFPは2014年04月09日に、下半身不随患者の失われた神経機能回復を助ける下部脊髄への電気刺激技術で、さらなる進歩がみられたとの研究報告が、2014年04月08日のイギリス医学専門誌「ブレイン(Brain)」に掲載されたと報告した。

まだ、半信半疑であるが---

この論文を発表した米国のルイビル大学(University of Louisville)などの研究チームによると、この技術は3年前に1人の患者に対して慎重な試験が行われた後、交通事故で下半身不随になってから少なくとも2年が経過した別の若い男性患者3人で臨床試験が行われてきたと言っている。

Altering spinal cord excitability enables voluntary movements after chronic complete paralysis in humans
Claudia A. Angeli1,2,
V. Reggie Edgerton3,4,
Yury P. Gerasimenko3,5
Susan J. Harkema1,2

1 Frazier Rehab Institute, Kentucky One Health, Louisville, KY, USA
2 Department of Neurological Surgery, Kentucky Spinal Cord Research Centre, University of Louisville, KY, USA
3 Department of Integrative Biology and Comparative Physiology, University of California, Los Angeles, CA, USA
4 Department of Neurobiology and Brain Research Institute, University of California, Los Angeles, CA, USA
5 Pavlov Institute of Physiology, St. Petersburg, Russia

Brain (2014)
doi: 10.1093/brain/awu038
First published online: April 8, 2014
Received September 18, 2013.
Revision received January 14, 2014.
Accepted January 20, 2014

論文によると、下部脊椎の神経束に電気刺激を与えるための電極を移植された患者らは、自発的に膝を曲げたり、腰や足首、つま先を動かしたりできるようになったと伝えている。

患者ら4人は、歩行こそできなかったが、この目標に向けての重要なステップとなる「体重の一部を自分の力で支えることができるようになり、快適な生活という面で『劇的』な改善を経験した。」と研究チームは付け加えた。

ルイビル大のKSCIRC(Kentucky Spinal Cord Injury Research Center/ケンタッキー脊髄研究センター)のクラウディア・アンジェリ(Claudia Angeli)によると、患者のうちの2人は、両下肢のまひだけでなく、下半身の感覚喪失との診断も受けており、回復の見込みはなかったと言っている。

まひは、手足の動きを指示するために脳から神経線維を通して発信される電気信号の経路となる脊髄が損傷を受けることで起こる。
切断された神経線維を手術で再びつなぎ合わせたり、薬剤や幹細胞を用いて再生したりする試みは長きにわたり行われてきた。

しかし、この研究は、脳と下肢の間の神経を再接続しなくても、まひ患者を動けるようにする方法が存在するとの考え方から、これまでのものと異なる道筋をたどっている。

この技術では、腰仙髄にある比較的自立した神経ネットワークに微弱な電気信号を与える。
腰仙髄の神経ネットワークは、脳からの指示がなくても、体重を支えたり正しい足踏みをしたりするための命令に従わせることができる。

最初の研究に参加したルイビル大のスーザン・ハルケマ(Susan Harkema)教授は、
「損傷後数年を経ている場合でも、完全まひ患者の随意運動の回復に劇的な効果を及ぼし得る根本的に新しい介入戦略の開発にわれわれは成功した。」と述べ、「回復は不可能で完全まひは永久に消えないという見方には、見直しが迫られている。」と続けた。

この電極移植術は、リハビリ療法と並行して行われる。
このリハビリ療法は、脊髄ネットワークに神経機能を習得・改善させるために必要な電気刺激量を時間とともに徐々に小さくすることを目的としている。

なお被験者には、筋肉量や血圧の改善、疲労の軽減などのさまざまな副効用も同時にもたらされたという。

米国のUCLA(University of California Los Angeles/カリフォルニア大学ロサンゼルス校)はステートメントを発表し、「研究の観察結果に基づくと、硬膜外刺激電極が持続的に進歩することで、完全脊髄損傷患者は将来、自分の力で体重を支え、バランスを保ち、足踏みに向けて努力することができるようになる可能性は大きい」と述べた。