2014-07-01

ロシアで、レースの下着が禁止?!

AFPは2014年02月24日に、ソーチの冬季オリンピックが終わったばかりのロシアから、ロシアと旧ソビエト連邦圏2カ国で今夏から、レースを使った女性用下着の一部が禁止される見通しで、国民からは怒りの声が上がり、街頭で抗議デモを行う人たちも現れていると報告した。

ロシアとロシアが主導する関税同盟の加盟国であるカザフスタン、ベラルーシの3カ国では、2014年07月01日に施行される新たな衛生規制法により、化学繊維の混合割合が高いレースの下着が禁止される。
新聞各紙は新規制のニュースを女性のヒップの写真とともに伝えるなど面白おかしく取り上げているが、日常生活までが当局に厳しく規制されたソ連時代への逆行を懸念する声も出ている。

ロシアのタブロイド紙モスコフスキ・コムソモレツ(Московский комсомолец/Moskovsky Komsomolets)は、未成年に対する同性愛のプロパガンダ(宣伝)行為を禁止したロシアの反同性愛法になぞらえ「レースのパンツは、れっきとした大人が異性にアピールするための『プロパガンダ』だ!」と下着規制を批判した。ロシアのタブロイド紙エクスプレス・ガゼータ(Экспресс газета/Express Gazeta)も「官僚たちは、女性の下着の中までのぞき込む気か」と皮肉った。

ロシアの人気ポップ歌手ビクトリア・ダニエコ(Viktoria Daineko)は、Twitterに「何ですって?じゃあ、他国へ移住するわ」とつぶやいている。
インターネット上には他にも、膝丈のズロースの写真に「ロシアの全ての若き女性のために、近日発売!」とのキャッチコピーを添えたコラージュ画像が次々と投稿されたと報告している。

また、下着メーカーは、規制が導入されればセクシー路線の下着の大半が禁止対象となると懸念を募らせている。
当局によるさまざまな規制で選択の自由がなかったソ連時代が復活するのではと案じる人たちもいる。

カザフスタンでは前週末、旧首都アルマトイ(Almaty)でジャーナリストや美術評論家の女性3人が、頭にレースのショーツをかぶり、それを独立記念碑に捧げる抗議パフォーマンスを行おうとして逮捕された。
3人は軽度のフーリガン行為で有罪となり、約US$100(約1万250円)の罰金刑を言い渡された。

またベラルーシでは野党BPF(ベラルーシ人民戦線党)のアレクセイ・ヤヌケビッチ(Alexei Yanukevich)党首が「彼ら(ロシア)はベラルーシの人々から文字通りパンツまで脱がせて奪い取ろうとしている。」との抗議声明を発表した。

その一方で、規制は健康面で有益だと支持する声もある。
カザフスタン消費者連盟のスベトラナ・ロマネンコ(Svetlana Romanenko)は、AFPの取材に「禁止対象とされているのは、ほぼ合成繊維100%の下着で、これは人間の健康に非常に有害で、禁止した方が良いことは当然だ。」と語った。

ロシアの下着メーカーは昨年、新規制が導入されれば合成繊維の下着の9割近くが店先から消えることになると、産業貿易省に苦情を申し立てている。
新規制で定められた衣料品における化学素材の混合割合は6%以下だが、女性下着ブランド「InCity」はロシア政府に対し、最も売れ筋のショーツの合成繊維混合率は3%だとして規制の変更を求める嘆願書を送っていた。

だが今月になって、規制は変更のないまま7月1日に施行されることが明らかになった。

ロシアの繊維・軽工業産業組合によると、ロシアの下着市場は約40億ユーロ(約5600億円)規模で、その60%がショーツだという。一方、ロシアの消費者は輸入下着を好み、売り上げの80%を輸入下着が占めている。