2012-10-10

道具を使う「賢いカラス」の秘密を解明。

AFPは、自作の道具を使って餌を取ることで知られるカレドニアガラス(Corvus moneduloides)は、どうやってこの芸当をやってのけるのか?
その謎を解明したとする論文を、イギリスのバーミンガム大学(University of Birmingham)率いる生物学チームが2012年10月09日に、イギリスの科学誌ネイチャー・コミュニケーションズ(Nature Communications)に発表したと報告した。

Extreme binocular vision and a straight bill facilitate tool use in New Caledonian crows
* Jolyon Troscianko,1
* Auguste M.P. von Bayern,2
* Jackie Chappell,1, 4
* Christian Rutz2, 3, 4
* & Graham R. Martin1, 4

Journal name:Nature Communications
Volume:3,
Article number:1110
DOI:doi:10.1038/ncomms2111

Received:12 April 2012
Accepted:04 September 2012
Published:09 October 2012

南太平洋にあるフランスの海外地域ニューカレドニア(New Caledonia)に生息するカレドニアガラスは、鳥類界のスターである。
くちばしで枝や葉から複雑な道具を作り出し、倒木の中や草木の隙間に潜む昆虫などの餌を釣り上げる特性をもっている。

バーミンガム大のジョリオン・トロシャンコ(Jolyon Troscianko)率いる研究チームは、捕獲した野生のカレドニアガラス3羽に餌の入ったチューブを与え、検眼鏡カメラで視野と目の動きを観察した。

すると、カレドニアガラスの目は顔の側面ではなく前面に向いており、両眼の視野が重なる範囲が非常に広いことが分かった。

両眼視野が広いと、近くにある物体との距離を脳が測りやすくなる。
カレドニアガラスの両眼視野は61.5度で、道具を使わない他の種類のカラスより23.9度も広かった。

カレドニアガラスは、両眼視が出来た。

さらに、くちばしも他の種と比べて非常に真っすぐで、このため道具を作りやすく、また作った道具をしっかりつかんで目標の場所に先端を差し込めることも明らかになった。

論文は、認知能力が他のカラスとほぼ同じなのに、カレドニアガラスが他の種にはできない高度な道具の使い方をするのは、こうした特徴のおかげだと結論付けている。

霊長類以外で道具を使う動物としては、他の鳥類やイルカ、ゾウがいるが、論文によればカレドニアガラスは身体的特徴が道具使用に非常に特化している点で比類がないと言っている。

南太平洋にあるフランスの海外地域ニューカレドニア(New Caledonia)のGoogle Earthポインター情報
21°21'41.84"S,165°27'41.01"E
または、
-21.361622, 165.461392