2011-09-16

故人のブログやツイートなど、死後の「デジタル遺産」問題。

AFPは、あなたが死んだ後、フェイスブック(Facebook)のアカウントや、オンライン上にあるアルバム、iTune(アイチューン)のプレイリスト、ブログやツイートは一体どうなるのだろうかと言う疑問について情報を配信した。

遺産相続計画を専門に扱う弁護士ネーサン・ドーシュ(Nathan Dosch)は、
オンライン・アルバムの場合「写真の所有者も、著作権を持つのもユーザー本人だが、サイトにアップロードしてしまうと、そこにライセンスの問題が生じる。」
「オンライン上の資産は本人のものだが、本人が死ぬとアクセス権がなくなってしまう。メールも同じです。」と言っている。

テキサス工科大学(Texas Tech University)法科大学院のジェリー・バイヤー(Gerry Beyer)教授は、
「デジタル資産(Digital inheritance )」の定義は解釈によって異なる状態が続いている。
ポイントはオンライン・アカウントにあるものが、何らかの価値のある「資産」と言えるかどうかである。
場合によっては訴訟となる可能性もあると指摘している。

「(イギリス人歌手)故エイミー・ワインハウス(Amy Winehouse)さんが亡くなる最後の月に書いたツイートは価値があるとあなたが思っているのに、それが消されてしまったらどうでしょう?」とバイヤー教授は問う。
さらに、収益を生んでいたブログなど経済的な価値があるアカウントもある。

また感情的に重要な価値もある。
米国では2005年、イラク戦争で死亡した米海兵隊員が持っていたヤフー(Yahoo!)のアカウントについて、個人情報の保護などを盾にアクセスを許さなかったヤフーに対し、遺族が訴訟を起こしたこともある。

遺族がデジタル遺産にアクセスする権利について、米国ではオクラホマ(Oklahoma)州とアイダホ(Idaho)州で関連法は通過したが、この分野の法整備のペースは遅い。

日本では皆無である。

各プロバイダやSNSの対応はまちまちである。
フェイスブックでは遺族が故人のアカウントを消去したり、「追悼」ページを作ったりすることができる。
グーグル(Google)のユーザー同意書では、電子メールサービス「Gメール(Gmail)」の中身を「
故人となったユーザーの正式な代理人」に提供する「こともまれにある」と記されている。
ヤフーでは、裁判所命令がなければアカウントにはアクセスできない。

遺産相続計画を専門とするクリストファー・ゲスト(Christopher Guest)弁護士によると、訴訟はまれだが件数は増えている。
アクセスを求めた原告が勝訴することも多いが、多大な裁判費用がかかり、「発展途上の法分野です。」と指摘している。

法の空白が存在するところには、新たな商売が生まれると言われている。
自分の死後、相続人にアクセスさせたいという人に支援サービスを提供するベンチャー企業も登場している。
「あなたのデジタル資産の保存場所を確保します」を宣伝文句にするベンチャー、「レガシー・ロッカー(Legacy Locker)」共同創設者のジェレミー・トーマン(Jeremy Toeman)は、「誰も本当は死ぬことについて考えたくないんだ。特に自分の死についてなんてね」と言っている。

法律専門家は、遺言は公文書となるため、公開されたその内容が悪用されてなりすまし、犯罪を招く可能性があることから、遺言にデジタル資産の詳細すべてを記すことは勧めていない。

死後のデジタル資産に関するブログを運営し、共著もあるエバン・キャロル(Evan Carroll)とジョン・ロマーノ(John Romano)は、この問題に対する簡単な答えはないと言っている。
ジョン・ロマーノは、
「この問題はウェブの世界で十分に手入れされていない小さな一角だといえる。デジタル社会を作りたいと望むのであれば、死後のデジタル資産についても対処できるようにする必要がある。」と言っている。

死後の「デジタル遺産」問題など、先に先に考え、結論を得られない裁判官、弁護士などの法律家が、なぜ知的で人を裁くことができるのだろう。

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